遥かな記憶スパルタスロン2008

人間には、“傲慢(ごうまん)”的な

瞬間がある。

傲慢(ごうまん)とは、高い自尊心を持ち他人より重要であり魅力的になりたいという欲望や賞賛を、それに値する者へ送ることの怠慢、過度の自己愛などを指す。




人間には“謙虚さ”的な

瞬間もある。


謙虚とは、自分の思いを伝えることを我慢することではなく、周りの人々への気配りや思いやりを踏まえながら、その時々に感じること、考えることを口にすること。

周囲の人々への配慮を忘れなければ、相手の話もますますよく聞くことができる。

今年のスパルタスロンは、昨年に比べて涼しい。

ご存知だと思いますが、2007年大会の完走率が3割程度。
2008年大会は何と5割台…その数字が大幅に増加した。

完走メダルが不足して、後日送られるらしい…と言った“ジョーク”もスパルタ界隈で話題となっている。

完走率が増加した原因は何か?
解答は、涼しくて走りやすかった。

これは、本当だろうか?正しい答えになっているのでしょうか?

今年のスパルタスロンを完走した僕達を、これで全てを理解したと思ってはいけないと助言をくれる人間がいる。

確かに完走率を見る限り、2007年大会は外気温度が35℃以上を超えて過酷である。

また、前述した通りに完走率も、かなり悪いものだった。

しかし、それは傲慢的な瞬間です。

スパルタスロンに限って言及すれば、僕は完走することに意義があると信じている。

暑さや寒さなどの如何なる条件下でも、Finishすること。

これほど素晴らしい達成感は,他には比べるすべを知らない。

例えば、2007年大会において上位を占めた男女有力選手が、2008年大会では不本意な結果で終わった選手も少なくない。


これは、何故か?

例えば、恵まれた条件の下であっても、必ずしも実力ある選手が上位を占めることはできないことを証明している。

これは傲慢的な解釈が、如何に無駄なことである。

それは気象条件とは関係が少なく、体調不良や故障など他の原因にあると思われる。

毎年開催される各々のスパルタスロンこそが、ベストであり全てである。

そして、Finisherになることが、最高の栄誉であり、例えようもない歓喜の瞬間を得ることができるのです。


完走することが、深い意義を持ち、その延長線上に時間(Time)を語ろう。

どんな条件下でも、距離246キロを36時間内で走り切るだけの肉体力と精神力を賛美しよう!!
そして、僕達は謙虚な態度で、アテネからスパルタまでの長くて楽しい物語を、
スパルタスロンを知らない人々に感動を持って語ることにしよう!





P60:Tegea(距離195キロ 制限時間11:00)に、翌日10時28分に辿り着いた。
貯金が32分あるものの、精神的には追い詰められていた。

サポート隊長であるコスメル前村さんとミチヒロさんが、待機している。



睡眠不足と疲労は選手だけの専売特許でない。サポートする彼らも同じよ状態にあるのだ。

また、選手同様に36時間をレースを闘っている。

僕の下半身がどうも違和感を覚えた。ハーフタイツがしっくりとこない。

Tegeaに置いていた“短パン“に着替えることにした。

テント裏側で、恥ずかしくお尻を丸出しにして着替えることに。

前村さんには、変な物を見せてしまった。






実を言うと、レースの各CP通過する“ラップ表”を紛失してしまい、スペシャルをどこに置いたか全く解らない。

マジックで、腕に書き記しておけばよかったと、後悔していた。

多分20キロ間隔でスペシャルを置いているので、定かでない記憶を呼び戻しながら僕のゼッケン番号254を必死で追っていた。

残り51キロとなり、気分的には楽になった。
しかし、それは幻想であり楽観的なことを後で愚かにも知ることとなる。 

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