真夏の夢:飯塚の街に雨が降る
ひとつの想いを抱いて、今年の夏は大きな夢を実現した。
それも他のランナーからも言われたが、かなり過酷な旅であることを後で理解できた。
それは、2014年夏・・・・8月6日~9日の期間で、広島原爆ドーム前から長崎平和記念公園まで約430㌔を76時間で走破する大きな夢・・・・これをピースランウルトラチャレンジと言う。
そんな真夏の夢。
九州に上陸して、長崎街道を南下する。
飯塚までの国道の暑さはその日の外気温度のピークを迎えたいた。
僕は、あまりの真夏の酷暑に耐えきれずフラフラになりながら、僕の眼前に蜃気楼のような立つ彼女に会ったのだ。
ゆらゆらとした彼女の表情は、あのときのまま。
路面から立ち上る蒸気のように、あらゆるもが変形し少しの振動を刻むように表情を変える。
でも、わかった!!
まさに彼女だと。
どうしてここにいるんだろ?とふと疑問に思ったが、
懐かしさのあまり彼女の名前を呼んだ。
それは久しく忘れていた彼女の名前だ。
幾度も彼女の名前を叫んでも、返答がない。
ただ、笑顔の君がそこに立っていた。
そうだ、ここは彼女の生まれ育った街。
そして、彼女の実家がありお墓もあることに気がついた。
そんな会話を自問していると、大きな雨粒が顔に当たった。
それは突然の豪雨となって、この街の上の雲が黒く染まっていく。
突然の豪雨で生き返えり、
不意に視線を外すと、彼女の姿は消えていた。
不意に視線を外すと、彼女の姿は消えていた。
昔付き合っていた彼女からの知らせだろうか?
そうだここは彼女が生まれ育った地。
あのときの夏の匂いが残っていた。
あのときの夏の匂いが残っていた。
今、同じ時刻に息をひきとった20歳代の彼女姿であった。
ひとつの真夏の夢である。
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