感染とはなにか??PCR検査陽性者と感染は全く違う

インフルエンザとの比較で、新型コロナウイルスは「おとなしい」ウイルスと表現できるだろう。初期から中盤まで、暴露力は非常に強いが、伝染力と毒性は弱く、体内に入り込んでも、多くの場合は無症状か、いわゆる風邪の症状程度で終わる。
しかし、1万人から2.5万人に1人程度の確率で、サイトカイン・ストーム(免疫システムの暴走)や血栓の形成を中心とした重篤化を引き起こし、最悪の場合は罹患者を死亡させる。そこで、新型コロナウイルスについての前提から考え直し、暴露・感染・重篤化の「7段階モデル」を考えた(図表1)。

感染の段階をステージゼロからステージ6までの7段階に分類し、各ステージに至る確率や要因を「見える化」したものだ。今回、独自モデルを構築・発表した背景の1つは、新型コロナの感染拡大を予想する上で必要な数値、例えば、暴露率(新型コロナウイルスが体内に入る率)、罹患者の重症化率、死亡率といった、最も基本的なデータすら現時点では蓄積が乏しいという実情だ。7段階モデルは、まず私たちが何に着目すべきか、その課題の提起でもある。







7段階モデルでは「自然免疫」が、軽症と重篤化の分岐点
このモデルでは▽日本の人口を1億2644万人とする▽年齢層別の患者実数値▽抗体陽性率の推計値――などをベースにし、「暴露率」をパラメータ(変数)としていくつかのケースを設定し、実際の重症者や死亡者の数値と合致するようにシミュレーションを行った。
その結果、①人口の少なくとも3割程度はすでに新型コロナの暴露を経験しており最大45%が暴露した可能性がある、②暴露した人の98%は「ステージ1」「ステージ2」の無症状か風邪の症状で治癒した、つまり自然免疫で対処できた、③暴露した人の2%で獲得免疫が出動する、つまり抗体が陽性になる「ステージ3」「ステージ4」に至った、④さらに暴露した人の2%のうち、サイトカイン・ストームが発生し重症化(ステージ5)に至った人がおり、20代では暴露者10万人中5人、30歳~59歳では同1万人中3人、60~69歳の層では同1000人に1人、70歳以上では同1000人に3人程度だった、という結論に至った。











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