新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)はどこから来たのか?
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)はどこから来たのか??
★私見
新型コロナは、武漢ウイルス研究所から誤って漏洩したものだという説。当初漏洩説は、トランプ政権が中国を悪者にするための陰謀論的な扱いを受けていたが、それがなぜバイデン政権になっても注目されているのか、詳細な調査報道を調べてみる。
その論文は「コウモリがほとんど冬眠している真冬に、なぜコウモリを扱っていない市場からアウトブレイクが発生したと言えるのか」という疑問を提起した上で、ウイルスは研究所から流出したとシンプルに結論づけていた。
NSCで調査を仕切っていたポッティンジャー次席補佐官は、調査チームを意図的に少人数にした。というのも、政府内に研究所漏洩説を全く信じていない人がいたことと、多くの専門家が機能獲得研究の資金を受け取ったり、それを承認したりしていたためだと。
情報を集めていくうちに、2015年に武漢ウイルス研究所のコロナ研究主任・石正麗博士とノースカロライナ大の疫学者との共著論文を見つけた。石博士は、SARSの自然宿主がコウモリであることを突き止めた人物で、洞窟でコウモリのサンプル採取をしまくってきたことから「バット・ウーマン」として知られる
論文は、SARSウイルスの分子構造にハツカネズミのタンパク質を挿入して、新たな感染力を持つ病原体を作り出し、このスパイクタンパク質が人間の細胞に感染することを証明するものだった。この機能獲得実験は非常に危険であり、論文も著者自身もその危険性を指摘していた。
そもそも、この検証実験はコウモリが持っているウイルスから、SARS型のコロナが再発生するリスクを世界に警告するためのものだった。なお論文の謝辞には、米国立衛生研究所からの資金提供と、USAIDから助成金を受けたエコヘルス・アライアンスという非営利団体からの資金が掲載されている。
このエコヘルス・アライアンスを運営しているのは、ピーター・ダサック=漏洩説を陰謀論として全否定したランセット誌の声明を取りまとめた人物である。
遺伝子操作されたウイルスが漏洩した可能性は否定できないが、自然由来のウイルスサンプルがどこかで漏洩したという可能性もある。石博士自身、パンデミック前までは、研究所で生きたウイルスを扱ったり、バイオセーフティレベルの低い実験室で研究していたことを認めていた。
2018年に武漢研究所でバイオセーフティレベル4の実験室が設置された記念に、中国側は米国の外交団を受け入れた。その際の電報には、高度な訓練を受けた技術者が不足していることや手続きの不備で施設の安全性が低いことなどが記されていた。
NSCに助言しているウイルス学者らは問題のある別の研究を見つけた。2020年4月に発表されたその研究は、遺伝子編纂技術を使って、人間の肺を模したマウスを作り、新型コロナへの感受性を調べるというものだったが、論文の発表日から実験の日数を逆算すると、マウスが作られたのは2019年夏頃になる。
また共著者23人のうち11人が、人民解放軍の軍事医療科学院の所属だった。中国軍の研究者はなぜそんなことを調べていたのか。
別の研究者による補論。「新型コロナの初期配列には、突然変異の形跡がほとんど見られない。これが動物から人に感染したのなら、2002年のSARSのように多くの適応による変異が見られるはず。つまり、新型コロナははじめから人間への感染に適応していた」
ウイルスの機能獲得研究をめぐっては科学者の間でも論争がある。賛成派は、潜在的リスクを明らかにし、ワクチン開発を促進することで、パンデミックの予防に役立つと主張する。一方、自然界に存在しない病原体を作り出すのは、病原体を解き放つ危険が大きいとの批判も
エコヘルス・アライアンスのピーター・ダサックは、2014年5月に米国立アレルギー・感染症研究所から370万ドルの助成金を獲得し、一部をコウモリのサンプル採集や、どの動物のウイルスが人間に感染するかを調べる機能獲得実験を行う様々な団体に分配しており、ウイルス学分野で大きな影響力を持っていた
エコヘルス・アライアンスは、国土安全保障省やUSAIDから年間最大1500万ドルの助成金を得ていた。武漢研の石博士自身も、120万ドルを超える米政府からの助成金を公表している。少なくともその資金の一部は、エコヘルス・アライアンスを経由していた。
遠隔地から都市部にウイルスサンプルを持ち込み、塩基配列を調べて増殖させ、遺伝子操作で毒性を強めようとするダサックの研究手法については、「火のついたマッチでガス漏れを探すようなもの」と批判する研究者もいた。
国務省の調査は、AVC局と国際安保・不拡散局とで揉めていた。AVC局は2020年11月に、コロナの機能獲得研究に関係する武漢研の研究者3人が2019年11月に、新型コロナと似た症状で病院を訪れていたことを示唆する情報を掴んだが、フォード国務次官(国際安保担当)「ソースが怪しいと思った」。
自身も不拡散の専門家であるフォード曰く「誰が望む結果を得るために、責任のない調査をやっているのではと思った」とのこと。
フォードは退任前に、調査の不透明性を指摘するメモを残した。「武漢ウイルス研での機密プロジェクトに人民解放軍が関わっていることは本質的に疑わしいので、生物兵器を研究しているかのような言い方には注意すべき」
「米軍は長年ウイルス研究に深く関わってきたのだがか、仮に中国軍が関与していたとしても本質的に問題だとは言えない」
これにAVC局のディナノ次官補が反論のメモを作成した。「問題を起こすを恐れて、コロナの起源調査をするなという警告があり、調査は難航した」他
2021年1月15日、国務省は武漢ウイルス研の活動に関するファクトシートを発表。
最初のアウトブレイク事例よりも前に、同研究所の研究者がコロナのような症状で体調を崩していたこと。同研究所の研究者が解放軍の機密プロジェクトで協力し、「少なくとも2017年以降、解放軍に変わって動物実験を機密研究に従事していた」ことが記された。バイデン政権は、この声明を撤回していない。
なお、このファクトシートはフォード自身が署名して発出されている。曰く、確実なファクトのみに絞って記載しているので安堵しているとのこと。
WHOによる武漢での実地調査について。2020年7月に、WHOは米政府に調査の専門家を推薦するよう要請した。米政府は食品医薬局の獣医師、CDCの疫学者、国立アレルギー感染症研究所のウイルス学者を推薦したが、どれも選ばれなかった。米国から選ばれた代表はたった一人、ピーター・ダサックである。
つまり中国からすれば、誰が来て、何を見るかを統制することは初めから分かっていた。7月にWHOが加盟国に調査内容の条件に関する草案を送った際、PDFのタイトルは「CHN and WHO agreed final version」となっており、中国に事前承認を取っていた。
1月に行われた調査で、ダサックを含む12人の専門家らは、生のデータをほとんど見ておらず、中国政府が分析したデータだけを見た。:極めて可能性が低い。
2週間の調査の後、新型コロナの感染シナリオのうち、どの可能性が高いかを挙手で投票して、調査を終えた。(1)コウモリから人間への直接感染:可能性あり。(2)中間動物からの感染:可能性が高いー非常に高い。(3)冷凍食品を介した感染:可能性あり。(4)研究所での事故:極めて可能性が低い
米政府は、国際調査団の報告は、それぞれの仮説の有効性を判断するための、理屈を示す記述がなく、不正確だと分析。研究所での事故の可能性については、ざっと見ただけで「極めて低い」と断言できるほど証拠はない由。
少なくとも、米政府は、2019年秋に武漢ウイルス研の研究者にコロナと似た症状が出た人がいることと、解放軍が関連するリスクの高い機能獲得実験をしていたことは確実だと考えている=つまり「そんなことはしていない」という石博士の主張は嘘だと思っている模様。
★WSJ記事より引用↓
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)当初、アンソニー・ファウチ氏が行った電子メールのやりとりが明らかになった。
これにより、ファウチ氏のマスク政策の評価や医師としての名声を疑う声も出るきっかけとなった。
しかし、本当に重要なのは、これらメールの一部が新型コロナウイルス感染症の発生源に関するより多くの疑問を浮かび上がらせるという点だ。
米国立アレルギー感染症研究所所長のファウチ氏は、新型コロナが武漢ウイルス研究所(WIV:Wuhan Institute of Virology)のような研究施設から流出したとの説に疑問を呈してきた。
こうした説を何度か否定した後でファウチ氏は先月、施設からの流出の可能性を認めた。
それは、メディアや学者の間で、この仮説が見直された始めたからだ。
メディアによる情報公開請求を受けて公表された一連の電子メールは、ファウチ氏が最初から新型コロナの発生源に関する議論をフォローしていたことを示すものだった。
免疫学者のクリスチャン・G・アンダーセン氏は2020年の早い時期にファウチ氏へのメールで、このウイルスが「奇妙な性質」を持っていることを指摘していた。これは、研究所のような施設での操作の可能性を示唆するものだ。
アンダーセン氏はその後、証拠が不足しているとして、研究所流出説を否定する論文を発表した。
そして、ファウチ氏は自然界起源説を支持する記事の共有を始めた一方、この問題について論文を書く科学者に助言した。
しかし、人畜共通感染が起源であることを示す決定的証拠は出てきていないため、ファウチ氏が研究所流出の可能性を認めるのが遅かったのはなぜかと問うのは、妥当だと言えるだろう。
とりわけ興味深いのは、以下の件だ。
米国立衛生研究所(NIH)は2014年から19年にかけ、非営利団体エコヘルス・アライアンスを通じ、WIVに340万ドル(約3億7400万円)を送金していた。
同団体のピーター・ダシャック代表は一部編集された2020年4月のメールでファウチ氏に対し、
「公の場で立ち上がり、科学的証拠が自然界起源説を裏付けていると言明したことに対し、われわれのスタッフや協力者を代表して、個人的に感謝を述べたい」と語っていた。
「あなたの勇気ある、信頼ある声によって発せられたコメントは、ウイルスの起源について流れている作り話を一掃するのに役立つだろう」
NIHの資金はコウモリのコロナウイルスの研究に費やされていた。
そして、WIVはウイルスの毒性や感染力を高めるための機能獲得実験を実施していた公算が大きい。
ファウチ氏は2020年2月のメールで、自らの部下にあたるヒュー・オーキンクロス氏にコロナウイルスの機能獲得実験に関する論文を送付した。
ファウチ氏は「この論文を読め」と命じ、「今日中にやらなくてはならない任務がある」と述べた。
オーキンクロス氏は論文についてコメントし、彼らは「われわれに、海外で行われているこの作業との何らかのつながりがあるかを判断しよう」としていたのだろうと述べた。
ファウチ氏はそれ以降、彼の所属する組織は機能獲得の研究への資金提供は行っておらず、エコヘルス・アライアンスの資金はサンプル収集のために利用されるものだった、と話すようになった。
しかし、同氏は2日、ポータルサイト「ニューズ・ネーション・ナウ」とのインタビューで、「WIVに関するもの全てを保証することはできない。われわれにそれは無理だ」と述べている。
ファウチ氏は今週、自身の電子メールについて、「文脈から外れて引用される可能性が極めて高い。全文の意味がとらえられていない」と語った。それは真実かもしれない。
しかし、そうであればなおのこと、米国とWIVおよび機能獲得の研究とのつながりを調査するべき理由がある。
この問題は新型コロナの起源に関するものだが、同時にこの種の研究の将来のリスクと利益にも関係している。
現在の議会はこの問題に関心がないように思われる。しかし、バイデン大統領は、イラク戦争開始前の情報収集の失敗を調査するために立ち上げられた超党派による委員会のような事実調査委員会を設置することで、支援することができるかもしれない。
それは「ファウチ氏を解任せよ」といった党派色の強い動きであってはならない。
パンデミックがどこから来たのか、そして関係者は何を知っていたのか、またそれをいつ知ったのか、などについて理解することは、貴重な教訓をもたらし、そして恐らく、人命を救うことにつながる可能性がある。(引用:WSJ記事より)
★Anthony Stephen Fauciとはどんな人物か??
アンソニー・スティーヴン・ファウチ(Anthony Stephen Fauci; 1940年12月24日 -)は何者か?ここで少しまとめてみた。
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Anthony Stephen Fauci
アメリカ合衆国の医師、免疫学者。
1984年からアメリカー・国立アレルギ−感染症研究所(NIAID)所長。(NIAID; National Institute of Allergy and Infectious Diseases)
アメリカ合衆国の政権6代に渡って大統領に感染症関係の助言をし、大統領エイズ救済緊急計画の策定において中心的役割を果たした。
2020年1月からは、米国における新型コロナウイルス・パンデミックに対処するホワイトハウス・コロナウイルス・タスクフォースの主要メンバーの一人として活躍している。
◆National Institutes of Healthとは
アメリカ国立衛生研究所(National Institutes of Health、略称: NIH)の医師として、50年以上にわたり様々な立場から公衆衛生に貢献してきた。
科学者として、またNIHのNIAIDの責任者として、HIV/AIDS研究やその他免疫不全の研究に貢献してきた。
ニューヨーク・タイムズ紙はファウチを「感染症に関する米国の第一人者」と呼んだ。
◆The White House Coronavirus Task Force とは
The White House Coronavirus Task Force was the United States Department of State task force during the Trump administration that "coordinate[d] and overs the administration's efforts to monitor, prevent, contain, and mitigate the spread" of coronavirus disease 2019 (COVID-19)
Also referred to as the President's Coronavirus Task Force, it was established on January 29, 2020, with Secretary of Health and Human Services Alex Azar as chair.
On February 26, 2020, U.S. vice president Mike Pence was named to chair the task force, and Deborah Birx was named the response coordinator.
The task force was succeeded by the White House COVID-19 Response Team under the Biden administration.
ホワイトハウス・コロナウイルス・タスクフォースとは
トランプ政権時代の米国国務省のタスクフォースで、2019 年のコロナウイルス病 (COVID-19) の拡散を監視、防止、封じ込め、緩和するための政権の取り組みを調整し、監督します。 )大統領のコロナウイルスタスクフォースとも呼ばれ、2020年1月29日に保健福祉長官のアレックス・アザーを議長として設立されました。 2020 年 2 月 26 日、米国副大統領のマイク・ペンスがタスクフォースの議長に指名され、デボラ・バークスが対応コーディネーターに指名されました。 タスクフォースは、バイデン政権下のホワイトハウス COVID-19 対応チームに引き継がれた。



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