野沢温泉に来るのは、もう10回を超えるだろうか

  野沢温泉に来るのは、もう10回を超えるだろうか。

13ある無料の共同浴場はとうにコンプリートし、大まかではあるがそれぞれの湯の個性も判別が出来るはず。

もっとも湯あたりが出やすいと言われる頃だ。他人よりは湯慣れしているとはいえ、共同浴場は無人管理。ぶっ倒れた時にすぐにヘルプが来てくれるとは限らない。

 かつては一泊二日で13個所全てを巡るという強行軍を敢行したが、以前のような体力はない。身体の調子を見ながら、無理をせぬように巡湯することを心掛けた。

 


 ファーストダイブは「麻釜湯(あさがまゆ)」。
ここでは野沢温泉のメイン観光スポットであり、天然記念物である『麻釜(※こちらは「おがま」と読む)』源泉を拝湯することができる。

 
 100度近い源泉が渾々と湧出する「麻釜」。地元民以外は立ち入ることができず、村の人々が日常的に野沢菜や卵を茹でるという奇勝。こちら何度見ても様変わりしないが、野沢に来た際はまずここに立ち寄る。

 
 野沢温泉街には30本以上の源泉があり、大まかに単純硫黄泉と含硫黄-ナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉の2種に大別される。だが同じ泉質名であっても、湯の色や湯花の形状はそれぞれの浴場で異なる。


 総じて激熱。観光客が身体を真っ赤に染め、退場しても尚止まらぬ汗を拭い温泉街を歩く姿は風物詩ともいえる。

 
 麻釜湯は、御影石造りの3~4人サイズ。
若干青み掛かった薄墨色。常時水道から真水が落ちているが、セルフスタイルの蛇口も備えられている。表層は油の膜を張ったような熱さだったが、湯揉みをすると浴感は46度ほどに下がった。


 独占していたところ、観光客の青年2人が入ってきた。


青年 「熱ッ!!」
   「これは入れないね。。」
     
   「あのー、水入れてもいいですか??」
私  「大丈夫ですよ」

 
 私は共同浴場に入っていると、たびたび地元民に間違えられることがある。洗具と小銭入れだけを持ち街を闊歩。激アツの湯を颯爽と湯揉みし適温に調整、掛け湯をしてから閉眼し湯に浸かる。

 これまで数々の激湯に鍛えられ、45度を超えても平然としている。間違えられても無理はないか(少し嬉しかったりする)。


  続いて向かった先は、温泉街の最奥にある「滝の湯」。
ここはいつも人が少ない印象だ。こちらは硫黄臭が強く、薄グリーンに色付きがあった。タイルには色が沈着しており、湯底は深緑に変色している。

 先客が薄めたか、麻釜よりもかなり入りやすく43度ほどの浴感だった。麻釜からの距離は数百メートル。色も香りも違うのだから面白い。

 
 宿に戻る道中、「横落の湯」にも立ち寄り。
交差点の一角にあり、半地下の様なところに降りて行くと浴室が。御影石に注がれる源泉は「麻釜」源泉。

 先ほど同源泉を引く「麻釜湯」に入っているが、こちらは濁りが薄く湯花が確認出来なかった。ポンプで引湯する僅かな間にも、湯は変化するようだ。


 一旦宿に戻り、今度は館内の源泉をテイスティング。
こちらの民宿は通常時素泊り5千円と割安だが、すぐ後ろにある「薬王堂源泉」が掛け流しで配湯されていた。白濁で、表現は悪いが湯垢のような長い湯花が舞っていた。


 ここまで4湯をクリア。まだ夕食までゆっくりする余裕がある。
ボーっとテレビを見ながら、何もしないストレスフリーの時間。アーリーチェックインが功を奏した。


 夕食は「若ぎり」という民宿兼食事処で。自前の田んぼを持っており、コシヒカリを栽培しているという。元々寿司屋だったらしく寿司自慢のようだが、予算の問題もありカツ丼(900円)を拝食。確かに言われてみれば、米は美味いような、、

 
 夕食後には副交感神経を刺激し睡眠モードに。

 「熊の手洗い湯」は、激湯メインの野沢温泉街の中で唯一41度台。温湯のため加水用の蛇口がないのは恐らくここだけだ。
 
 数年前にリニューアルされ、清潔感溢れる御影石の湯船には薄グリーンの源泉がかけ流し。湯船が二つあり、もう一つは激熱の麻釜湯源泉が注がれており交互浴も愉しめる。交互浴が効いたのか、布団に入るとすぐに眠気が襲った。
 
 
 翌朝は早朝からスキー場方面へと坂を登って行く。松之山で給水した湧水はとうに底をついており、温泉街の外れにある「六軒清水」という湧水処で再び天然水をチャージ。野沢ではどこまでも無料に拘った。この水も良く冷えていて美味しかった。


 帰りに「まつばの湯」で朝風呂。一階が洗濯場になっており、二階が浴槽がある。こちらは白濁で、大きめの湯花が確認出来た。しかしこの硫黄臭漂う源泉で洗濯をする人などはいるのだろうか。。


 朝食は松之山温泉で購入した「志んこ餅」の残りを5ついただく。軽めに抑えたのには理由がある。

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