The Western States ® 100-Mile Endurance Run 2010






The Western States Endurance Run 100Mile


僕は2010年この憧れのトレイルレースに参戦した。道中は道に迷ったり、夜間はランプが壊れて途方に暮れたり、両足裏が水脹れで激痛の極みだったり・・・・いろいろな懐かしい思い出が浮かんできます。

今年は昨年怪我で不参加だった鏑木毅さんも出場するので、ますますこの歴史あるトレイルレースが気になる。

ぜひ鏑木毅選手には優勝していただきと強く気持ちでレースサイトで注目したい。


そこで、昨年のこのレースを振り返り完走記をUp致します。

ぜひ、読んでください。


はじめに
『WESTERN STATES ENDURANCE RUN』とは?

アメリカ・カリフォルニア州で行われる『WESTERN STATES ENDURANCE RUN』(ウエスタン・ステイツ・エンデュランス・ラン)。[http://www.ws100.com/home.html]

距離は160kmで制限時間は30時間。出場者はおよそ400名。このレースは、アメリカ屈指の山岳レースで、標高2400メートルを頂点とした山岳路を中心に広がるウエスタンステイツ国立公園を縦断するトレイルランニングである。

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The Western States Endurance Run 2010 完走記----------------------------------------------------------------------------------
レース当日早朝
昨日健康診断を受診していないので、大会関係者の言われるがままに、当日午前3時前にSquaw Valleyに到着した。

会場となる建物には、人影は無くてまだ眠っている。
前村さん曰く、“時間厳守を期待することに無理がある”と。
(※前村さん:米国デトロイト在住のチームメンバー。ペーサーをしていただきました。)

ここは日本ではないので、時間厳守の習慣や規律が無いようだ。

仕方なく、スタート会場で椅子に腰掛けた。まだ眠い目をこすりながら手持ち無沙汰で時間を過ごしていた。
午前3時半過ぎると、担当のドクターが現れた。

挨拶そこそこに、健康診断が始まった。受診するのは僕だけかと思ったが、後から女性選手が
やって来た。

さて、健康診断の内容ですが、まず体重を計ります。
これには理由があって、指定されたチェックポイントで体重を測る規則になっています。
体重がスタート時より7%ダウンすると、強制リタイアになるのです。

次に、血圧を測ります。
これが凄い数値になり、本人もびっくりしました!
何と上が188、下が104です。

これは完全な高血圧で、最悪はドクターストップを宣言されても仕方ないような数値なのです。

ドクターが質問してきました。
“いつもこんな数値ですか?”
“いいえ、昨夜お酒(ビール)を飲んだので、それが原因かもしれません”僕は焦っていて、適当に言葉を濁すしかなかった。そばに立っていた前村さんも不安そうな表情をしていた。


実は、大会前日の朝にサンフランシスコに到着してそのままSquaw Valleyまで前村さんが運転するレンタカーを走らせた。距離は軽く150キロを超えている筈だ。

どうやら時差ボケと寝不足が原因で、血圧が高くなっものと思われる。
それとも、緊張していたのかもしれない。
レースで影響がでないことを祈るばかりである。

次は脈拍で、“90”.でした。これも少し高い数値かもしれない。



ドクターは、体重と血圧及び脈の数値を黄色いリストバンドに書き込んで、左腕に巻いてくれた。
これはレース中には外してならないことになっている。
外すことはリタイアを意味するからだ!!

無事に健康診断が終わると、次はゼッケン(Bid-No)をうけとらなければならない。
早朝なのでは、まだ他の選手の姿も少なくて余裕をもって選手受付を終えてBid-No461を受け取ることができた。

時刻は、すでに午前4時前。
選手とペーサー用のレストランがOpenした。
リンゴなどの果物や、パン、ドリンク類などがバイキング方式で食べる事ができる。
もちろん無料であり、経費は参加費に含まれている。

レース前であるから、とにかくエネルギー摂取と保存に徹して食べることに集中した。
食べやすいクロアッサンなどの柔らかいパンを選んで、必死に胃袋に詰める。

事前にサイトなどで調べた結果、エイドステーションにはどうやら日本人に合う食べ物が少ないと聞いていたからだ。

そして、円形したテーブルの上には、二人では食べきれないほどのFoodsで満たされていた。

午前4時を過ぎると、選手がぞくぞくと現れた。
レストランは、選手で一杯となり、足を踏む場所もないほどに肩を寄せ合っている。
あの特有の陽気なTrailrunnersが興奮状態に堕ちていて、あちらあちらでレースに関する話題が盛況であった。
驚いた事にゴスプレした選手も登場した。

どんな格好かといえば、ピンクのバレニーナそれも年配の男性でした。

前村さんもゴスプレランナーとして、第一人者を自認するほどWS100では勝負していたが、本人曰く・・・・“負けた!”と言っていた。上には上があるものだと痛感した。


日本人は僕と前村さんの二人。東洋人らしき姿も確認できない。
おそらく韓国、台湾、シンガポールの選手がこの雑踏の中に紛れ込んでいるに違いない。

スタート15分前

選手の移動が始まる。
レストランで寛いでいた僕達も、早めにスタートラインに向かった。

カウントダウンを告げるタイマーが、ゲートに吊り下がっている。
それは休むことなく、刻々とその時を刻んでいた。

スタートは午前5時。
一斉にSquaw Valleyのスキー場の急坂を登ることになるのだ。
“10,9,8,7,6,5,4,3,2,1”・・・スタートを知らせる空砲が撃たれると、選手は一気に暗闇のスキー場に消えていく。
標高2000mを超えるSquaw Valleyから、標高約3000mのEemigrant Passまでの3.5mileをまで一気に登る。

僕はライトを持っていなので、暗い坂道は大変かもと準備不足を痛感した。
しかし、思わぬ援軍があったのです。

スキー場ですからナイター照明が、コースの要所にあり、何と全てが点灯されているではありませんか!!

お陰で足元は明るくて、ライトは全く無用でした。
選手の中にはヘッドランプを装着し
姿も見受けられるが、その必要がなかった。

スタートして一気に標高2000mから3000mの登りを駆け上がります。
僕は無理せずPower Walkで体力温存に徹します。

Foresthill(62mile)まで絶対に無理をせず、“前半は登りは必ずPower Walk、
後半の夜間が勝負でその遅れを挽回すること“が僕の作戦です。

目標タイムは、24時間を切ること。それが大きなハードルだ!!



Escarpment
約1時間ほどで漸く山頂に到着した。
すでに陽は登り山頂から眺めた下界は、雲海となっていて清清しい。
だからトレイルランニングは止められない。

山頂からはゴンドラの音が聞こえてくる。誰かが叩いているのだろう。

事前の情報では山頂を過ぎても残雪も多くて、かなり足元が緩んでいるらしい。
トレイルシューズを履いていない選手も多くて、残雪の上を滑って転ぶ姿が多く見られた。

先頭を走る選手達が残した滑り台のようになっていて、転倒の危険性を含んでいる。
足元を確認しながら慎重に進む。

トレイルは殆ど雪の下に埋もれていた。
漸く土が現れると、そこは雪解けによるぬかるみとなっていた。
靴を濡らさないように足元を選ぶが、これも最初だけ。
最後は面度になり、水溜りや川を無遠慮にどんどんと足を入れていく。
どの選手も同じようで、靴は泥だらけでずぶ濡れ。
跳ね上げた泥は、選手の足や背中に付着していてすでに泥んこレースの情景を呈していた。
これが後半、足裏に大きなダメージを起こす事になるのだが・・・。
上半身は暑いのだが、足元は冷たい。
こんな状態が、10mileほど続く。雪遊びは楽しいが、足元は辛いのだ!!

Robinson Flat(29.7mile)まで順調に24時間ないのペースである。
しかし、心配ごともある。
各エイドに置いてある水が不安なのです。どうやら現地で汲まれた水ではないかと・・・そんな不安である。

水が合わなくて、胃腸の調子が悪くなるかもしれない。または、腹痛を起こすかもしれない。

海外に出ると“水”には注意しなければならないことは常識です。

そんな心配を払拭するために、スタート前から胃薬(キャベジンー・コーワ細粒)を服用している。

約2時間おきにこの胃薬を服用して、トラブル防止に努めた。



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