Day1:Shikoku Pilgrimage 四国霊場108番所巡礼乃旅1400km 旅立ち


Day 1・5月17日(金) AM7:00 雨
一番札所霊山寺前に立つ。
いよいよ四国霊場1400kmの巡礼の走り旅は始まる。
どんなドラマが展開されるか?またどんな出会いがあるか?
不安と期待が入り混じった複雑な気持ちの中で、少しの緊張と喜びを覚えていた。

この巡礼は単に自分だけの旅ではない。

亡き友への挽歌であり、最後の弔いでもありお別れの機会でもあるのだ。
現世ではもう会えないと思う気持ちと裏腹に会いたい気持ちをどうしても隠すことができない。 だが、今を生きる僕はいつまでも悲しんではいられない。 気持ちの区切りとして、巡礼の道を選択したのはそんな訳がある。
各札所での納経時間は決まっている。
午前7時から午後5時までに納経所に辿りつけないと翌日にならざる得ないのだ。

前夜
前日はJR徳島駅近くのホテルに宿泊した。 高ぶる気持ちを抑えきれずなかなな眠ることができない。 初めての四国遍路への想いがそうさせたかもしれない。
翌日は,天気予報は雨。
スタートの朝は、悲しみの雨の中で巡礼の道を走り歩くことになる。
Day1:Shikoku Pilgrimage 四国霊場108番所巡礼乃旅1400km 巡礼者として
旅立ち
JR 徳島駅より始発電車に乗車して、第1番札所霊山寺の最寄り駅である無人駅のJR坂東駅に 午前7時前に到着した。
リックには雨カッパの上着をかぶせて、ビニール傘をさして 右手には金剛杖、左手には傘を握りすこし変なへんろさんの登場です。
第1番札所霊山寺での巡拝後、急ぎ納経所を尋ねた。 どうやら僕が一番乗りらしく他のお遍路さんの姿がなかった。 この雨では仕方ないだろう。
徳島県は「阿波発心の道場」と呼ばれている。
お遍路さんにとって一番辛い道場であり、 体力的にも精神的にも試されるのが阿波なのである。 特に「遍路ころがし」と呼ばれる遍路道であまりの起伏の激しさに 初心者の遍路さんは諦めて、途中離脱することが多いと聞く。

旅 程
1番:霊山寺〜2番:極楽寺〜3番:金泉寺〜4番:大日寺〜5番:地蔵寺〜6番:安楽寺〜7番:十楽寺〜第8:熊谷寺〜9番:法輪寺〜10:所切幡寺〜第11番:藤井寺〜12番:焼山寺〜13番.大日寺  (四国別格20霊場第1番大山寺巡拝)
行程は約81km
初日は、気力も体力も十分にあり,とにかく初日で距離をかせぐことにした。
充実した気持ちが僕を高揚させて前向きにしてくれる。 傘をさしてのランニングには慣れているが、やはりリックの重さもあり ぎこちない。
11番札所藤井寺まで平坦な遍路道が続く。 車道を往来する車両が通過するびに雨の溜を蹴散らして、歩道にある僕を直撃して全身ずぶ濡れになる。
傘を横にして避けようとしたりするが、無駄だと思った。 車両が往来するたびに車間距離を大きく空けて飛散する雨粒を避けなければならない。

徳島県は「阿波発心の道場」と呼ばれている。 お遍路さんにとって一番辛い道場であり、 体力的にも精神的にも試されるのが阿波なのである。
特に「遍路ころがし」と呼ばれる遍路道であまりの起伏の激しさに 初心者の遍路さんは諦めて、途中離脱することが多いと聞く。
難所:遍路ころがし
第11番札所藤井寺から 難所で有名な「遍路ころがし」が待っている。
巡礼者はここで試されるのだ。
雨はまだ振り続け強さを増していた。 山間部での遍路道は、川のように流れていた。
だが、足元も気にせず無心に起伏の激しい登り下る。
脚を止めると、寒さを感じるような気候になかで 前に進め!立ち止まるな! と、何度も自分に言い聞かせた。
第12番札所焼山寺
第12番札所焼山寺は山深く荘厳な山寺である。 天気のせいで山は霧がかかり、その威厳を示していた。
僕にとっては印象深い寺である。
巡拝も終わり納経も済ませて、とにかく下山を急いだ。
その寒さが身体を少しづつ浸透し、精神的な変調をきたすことを恐れたのだ。
藤井寺巡拝後に下山したのは午後2時過ぎ。 次の札所:第13番札所大日寺まで約40kmが残されている。
時間と距離との格闘が始まる。
鮎喰川を延々と下るように遍路道は続く。風景も単調そのもの、かなり辛い時間帯である。
日没までは第13番札所大日寺に巡拝したいが、水分を吸ったザックは重くて仕方ない。さらに遍路ころしの疲労も蓄積されて、なかなか脚が進まないのだ。

日没が闇となり 心細くなり、そんな雨が恨めしい。 全身ずぶ濡れからくる寒さと闘いながら、午後7時過ぎに 第13番札所大日寺に辿り着いた。しかし、納経受付はすでに終了していた。
仕方なく明日午前7時に再巡拝するしかないと覚悟を決めて、今夜の野宿場所を探すことになる。
冷たい雨がさらにその強さを増しながら、周りの風景も曖昧に流れれるように視線が合わない。
途方に暮れていた僕に、バス停が闇夜にわずかの明かりのなかで浮かんでいた。
ボックス型のバス停はコの字が立で三方が壁になっている。
屋根もあり壁もある。
迷うことなく僕は建物中のベンチに寝袋をひいいた。ようやく安堵の気持ちが
空腹の記憶を覚えさせた。だが、食べるものがない。
明日にしよう!疲労が心地よく僕は雨音を聴きながら睡眠を貪るこになる。
つづく
参照
四国霊場八十八箇所 距離
四国八十八箇所*の道
四国別格20霊場の道




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