投稿者
teamthehorizon
Day11:shikoku Pilgrimage 四国霊場108番所巡礼走り旅1400km 凍えて夜の小さな駅にひとり
Day11:shikoku Pilgrimage 四国霊場108番所巡礼走り旅1400km 凍えて夜の小さな駅にひとり
Day11:shikoku Pilgrimage 四国霊場108番所巡礼走り旅1400km 凍えて夜の小さな駅にひとり
旅程:土佐くろしお鉄度平田駅〜第39番延光寺〜宿毛〜松尾峠〜40番札所 観自在寺〜愛媛県愛南町(野宿)
日付:2016年5月28日土曜日天気 雨
距離 約65km 累計距離 約歩行距離歩行距離682km
【39番札所「延光寺」→40番札所「観自在寺」
昨夜は冷たい雨だ強く降っていた。
時刻は既に午後6時近くになり、日没を迎えて薄暗くなっている。野宿先を探しながら国道を歩いていると土佐くろしお鉄道平田駅が現れた。
通勤通学の乗客がホームに入るなり、一団の群れが高架駅のエレーベータ
から吐き出され人々が、瞬間的な喧騒で迎えてくれる。
雨具は途中で買ったビニールカッパで上から下までをカバーしているものの、
その中は汗で蒸せりはなはだ気持ちが悪い。
走り遍路は雨が大きな鬼門となるのです。
駅前の小さなロータリーには小さな待合室もあり、その中に入ると木製の長椅子がありここで寝床にするには格好の場所かもしれない。
またト直ぐ側に水洗トイレも備え付けられており、ここを野宿するか思案してた。
さらにその先を進んでも好条件の野宿場所があるかどうかこれまでの経験からして少し不安です。
やはり、この駅の待合室で仮眠することにしました。
荷物をベンチに置いて、食料調達のために国道56号線に出ると、小さなスーパーを
発見して足を早めて急いだ。
店内は夕方近いのでお弁当や惣菜などが半値となっていて、節約には良いタイミングで焼きそばやお寿司などを購入した。忘れてはいけないのビールです。
雨天の中をカッパを着て走る遍路には、忽然たる欲望が生まれるのです。汗をかいたときのビールはこの日のご褒美です。
四国の海岸を沿うように遍路道が続く。
それが遍路なのです。
走る遍路と自称ですが、一日70kmを走り
別格20番札所を含めて四国霊場88番札所を含めたその距離は1400kmほどになる。
遍路道も近代的な舗装道もあれば、本来の起伏深く
山間部に通じる遍路道もある。
だから遍路道っといってもいろいろな道があり、ショートカットして近道することもできる。
遍路道も山間部ではがけ崩れなどで通行止めがあり
これがなかなか厄介なことになる。
再開発された遍路道には迂回道も用意されているが、時代とともに四国霊場も砂糖に群がるアリのように
少しづつ侵食されているのが残念でならない。
走る遍路と言えども一日をすべて走るわけでない。
疲れていれば歩き遍路だり、また回復すれば走り遍路へと変身することになる。
走る遍路は確かに歩き遍路より進行速度が早くて
現地の人とのふれあいや自然豊かな四国の情景を楽しむ余裕すらない。それには理由がある。
20日間で1400kmを走破しようと決めていたので
単純計算で一日70kmをノルマとして
足を進めなけれあなりません。
しかし、これがなかなか計算通りにはいかないのです。
雨天や強風、さらに疲労からくる体調不良など
あらゆる難儀が走る遍路に襲いかかってくるのです。
特に酷暑の下を走り切るのは大変で、あまりの暑さに脱水症に堕ちてフラフラ状態で歩く機会も少なくありません。
土佐は修行の道場と言われています。
確かにここからがホントの四国霊場なのかもしれません。
いままで述べたような難儀を背中に背負って
さらに筋肉痛や足のまめなど肉体的にも皮膚のトラブルや内蔵疲労などで健全な精神を侵食していくのです。
一日ゆっくりと休息日としてのんびりと過ごしてみたいとか?
酒をたらふく飲んど一日ゴロゴロしていたとか?
肉欲的な欲望に翻弄されたい!!
といった人間的な俗物的な欲望などが自らの心奥底から黒く湧いてくるのです。
土佐は、己の欲と向き合う道場なのです。
そして、あまたある人間の欲をひとつひとつソギをとしていくのが修行の道場なのかもしれません。
毎日毎日
歩き走る一日を繰り返してくると、単純な生活が日常的になり食べることだけを考え、雨露の避難場所を探し、
接待される感謝を伝え
そして何もない自分に気づいた時には
物欲や金銭欲、肉欲、名声、傲慢さ、高慢さ
などのあらゆる欲がひとつひとつ削ぎ落とされて
残るものは本来の清浄と静寂を得ることができるのだと思います。
歩くことが修行だと確信します。
土佐はそんな霊場でした。
足摺岬から土佐の最後の第39番札所延光寺を巡拝が終われば
いよいよ愛媛県に入ります。
次は第40番札所観自在寺です。
断続的に降る雨に対処することもできずに、接待でいただいたゴミ袋をザックを包むよに背中に広げ、首にその端を結んでいきます。
ずぶ濡れで歩いていると
ビニール傘をご接待していただきました。
傘を片手に、背中にはごみ袋を巻きます。
下半身は短パンで蒸し暑くならないように注意しながら濡れた靴下とシューズの気持ち悪さは例えることができません。
それを我慢していると足指に皮膚のトラブルが発生しますが、もうそんな心配も危惧なども恐れることもなく
あるがままの精神で毎日を過ごしています。
土佐と愛媛を境界線は松尾峠です。
濡れた路面を滑らないようにひとつひとつ慎重に
足を置いていきます。
峠には国境を示す石柱が立っていました。
考え深い国境越えとなりました。
後ろを振り返ると
水墨画のように雨が降る宿毛の街が見えました。
また海も白く浮かんでいてほんとに幻想的な情景に
ようやく四国霊場も後半に入ったのだと思いました。
愛南町 土砂降りの僧都川
午後に愛媛県愛南町に入る。
徐々に天気が荒れる予報なので、荒れる前に40番観自在寺(かんじざいじ)の近くまで移動することにした。
強い風と雨が本格的になるまでに距離を稼ぎたい気持ちが強い。
遍路道は僧都川に至り水量は濁り大きな音を立てて流量を加速して土手の超えるよな勢いである。遍路道はこの川の河川敷を歩くことになる。
ますます風も雨も容赦なく強くなり傘だけではどうしようもなく
事前にコンビニで購入したカッパ着替えることにした。
適当な橋の下で休憩をとりながら、雨具のズボンと上着に着替えた。ザックは大きなゴミ袋の中に収納して防水対策に腐心した。
野宿できる場所なら迷わず停滞するような日なのだけれど、そんなわけで雨の中、40番へと向う。
ビニールカッパがさっそく真価を発揮。
ザックにかぶせるカッパを縛る紐も買っていたので、今日はザックのカッパがバタつくこともない。
途中雨が強かったこともあり、足回りはびしょ濡れ。カッパのおかげで上半身は無傷だったのだけれど・・・。
靴はずぶ濡れと状態で何時間も走るとどうも気持ちが悪い。ましてや足底の皮膚に違和感を与えてくれる。あとで確認したが皮膚はフヤケて水ぶくれ状態でした。
こんなときは乾燥した靴下を履き直せばいいのだが、用意した靴下は2足のみ。
いま履いている靴下と濡れてザックの中にある靴下のみ
どうしょうもなく濡れて異臭にきつい靴下を履き続けることしか考えられらい。
もち
雨粒は大きくなりビニール傘に当たると大きな音を立てて傘を揺らし、そして白色の煙幕のように僕の視界を遮るのだ。
歩道には大小の水たまりが口を広げていて、逃げようのない遍路道に悪戦苦闘です。
四国霊場で一番辛いことは雨の中を走ること、そして歩くこと。特に強い風に煽られたらどうしようもない悲壮感が身体全身を覆ってしまいます。
一番泣きたい瞬間かもしれません。濡れるだけなら問題ではあいません。
冷たい雨だと手は凍えて軽量のビーニル傘でも持ち続けることが困難です。
そして、ここに来て一番辛かったのがこのシーンとなりました。
ホントに泣きたいくらいの冷たさと強風の中をよれよれになりながら走り続けるしかありませんでした。
気持ちはまだまだ我慢ができます。なんとしても第40番札所観自在寺まではたどり着きた!!」その強い気持ちだけが僕を前に進ませるのです。
僧都川の土手の上を歩いていると対岸にスーパーが見えたので、橋を渡って行ってみる。
幸運にもコインランドリーがあった!
参照
おへんろ電子道標
四国霊場八十八箇所 距離
四国八十八箇所*の道
四国別格20霊場の道
資料及び引用
清水に参る道
禅
コメント