Day12 四国霊場108札所野宿巡礼走り旅 一番の試練

Day12 四国霊場108札所野宿巡礼走り旅 一番の試練

旅程:40番札所 観自在寺〜愛媛県愛南町(野宿)
日付:2016年5月28日土曜日天気 雨
累計距離 約歩行距離歩行距離682km

四国霊場第40番札所観在見寺

第40番札所観自在寺Map



境内に強い雨と風を四国特有の天気らしくて、境内に敷かれた敷石に大きな雨粒が叩き砕ける様子を一時間も二時間も。。。時間の感覚を失くしていた。

雨宿りするために境内にある宿坊の軒下のベンチに座り、これから先に進むべきか?ここのベンチで野宿するかいなか判断がつかないほど僕は迷うっていた。


強い雨と風に人気のない観自在寺








時間は午後3時まで無理をすれば遍路道の距離を進むことができる。
一番良い選択は雨の日は停滞することが一番だと想うが、これは修行の遍路さんとしては
一日70kmのノルマを達成することが大きな日課であり目標でもある。
ここで自分に負けるような気がしたならず、これからの先の走る遍路としての前向きな気持ちが曇ってくるような気がしてなかなか決着がつかず迷走状態にある、
宿坊の玄関に一泊3000円素泊まりとの張り紙が貼られていた。
冷たい雨が身体を冷やし、僕は甘い誘惑に負けそになる。
一泊ならいいじゃないか?と言う自分と

これは野宿することが今回の巡拝での大きな原則でありこだわりだと叱咤する自分が叱る。
そんなカオス状態の中にある僕を見透かしたようにひとりの年配の遍路さんが玄関の引き戸を開け
中に消えっていた。濡れた白装束を絞った水あとが玄関の上を濡らしていた。

僕もこの宿坊で宿泊したい!!楽になりたい!と思った瞬間でもある。
それから先は雨と風の勢いを観察しながら、どれだけの時間が過ぎただろうか?

僕は小雨になり弱い風になった境内を濡れた衣服を着ると、決心した強い気持ちで
まだまだ先に進むことを決めた。
どこで野宿すればいいのか?食料調達はどうすればいいのか?
そんな不安な中を日が暮れていく街の中を進む。

初夏の中の涙:号泣

第40番札所観自在寺を巡拝したあと、強い風と雨に飛ばされるよに雨具が揺れてそして
前にも進むにも難儀していました。いったい私はお遍路で何をしたいのだろうか?
どうしてこの遍路道を進んでいるのだろか?と
辛いこんな天候の中でこれまでの遍路旅を思い出していました。
こんなことがありました。
遍路マークを見落とし山高く登り道を歩いていました。

ここでは風力発電所の建設で何台ものダンプが行き交っていました。何台も停っていただき私のことを心配されて声を掛けていただきました。

ダンプの運転手によれば、遍路マークはもっと下の方にあるということですが、頂上まで来てもう引き返す訳にはいきません。

何処まで行くんですか?と聞かれ宇和島方面と答えると、じゃあ、この先もう少し行けばガードマンがいるから、そこで道が分かれているので、聞きなさいとのことで、その道を下ることにしました。

初夏の暑い盛りに持っていた水筒とペットボトルの水も飲み干し、水が無い状態でした。汗が次から次へと流れ出し首に掛けていたタオルも何回も絞らないと汗が拭けない状態でした。

とにかく人里まで出て助けてもらおうと思い1時間以上歩き続けているとやっと人家が見えてきました。バス停で時刻表を見ていると、軽トラックに乗ったおばあさんが下りてきてどうしたんですか?と尋ねてきました。

今日はバスは出ていませんよ(週に3日しか出ていないそうです)。
私は道に迷ってしまい水もないことを話すと家へ来なさいと車に乗せていただき、自宅まで連れて行ってくれました。

さっそく井戸水をくんでくれましたが、なまぬるくて飲めないので冷蔵庫の中を探してくれました。でも冷えた水はありません。

そこでサイダーが冷えていたのでいただき、喉を潤すと、氷の入った袋を渡されました(今コンビニなどで売られているロックアイスです)。

背中にしょって行きなさいとのことでザックの背中のスペースに氷袋を入れお礼をいい、納め札を渡しました。するとおじいさんの欲しがっていたものをもらったよと言って仏壇に納め札を供えている姿を見るなり私は声を出して泣いてしまいました。

玄関には四国88か所の手ぬぐいが押しピンで張られていました。
同じ愛媛でもお遍路さんが通る道ではないため一度ももらったことがなかったのです。ゆっくり休んで行きなさいと言われましたが、暗くならないうちに山を下りないと大変だと思い先を急ぐため、お礼をいい、出掛けようとすると、詳しく道を教えて頂き、氷のアイスを渡されこれを食べながらいきなさいと言って私の後ろ姿を見送ってくれました。
私は涙を流しながら歩きました。このような温かいお接待を受けたのは初めてです。私にとっては一生忘れることのできない思い出となりなした。
そして、接待してくれた身知らずの私への結願を祈ってくるのです。
もう私だけの遍路さんではなくて、いろんな人達の思いも一緒に同行しているのです。


そのためもう一度あの道を歩きたいという思いが、今の私の心を揺さぶり続けています。
心から男泣きしたあの瞬間があるから、先に進めたのだと思います。

放浪的瞑想
観自在寺がある宇和島市愛南町に降る雨はその勢いを増し、大きな雨粒が傘を叩く。
人気の少ない午後5時すぎに
近くのコンビニに寄り食料調達とビールを確保した。泥のような汗で体内から要求される欲望に負けてしまったのだ。
体は凍えていたが、食欲もある。
メニューは麺類が中心でスパゲッテーとおにぎり数個、それからロング缶のビールを3個を確報した。
今夜の野宿場所を探さなければならない。
ネットで検索すると近くに道の駅があるらしくて、ここに決めた。
すでに午後5時を過ぎていたので、道の駅は営業を終了して店員さんが店頭に網をかけいた。
野宿するのに最適な場所、それは道の駅が一番いいようだ。それはなぜか?
まずトイレがあること。人間の生理的行為は止めることができない。
さらに水が確保できること。
トイレには手洗器があるはずで、顔を洗ったり歯を磨いたり、ひげを剃ったりと
やはり人間の身だしなみには大切です。
また、野宿する上で一番いいのは風や雨などから身を守ってくれる遮蔽物があることが嬉しい。また、遮蔽物の影に隠れてにひと目につかない空間があることも選択する上で重要になる。
道の駅で野宿できそうな場所を探していると、先客がいた。
サイクルリストらしくて自転車の横にテントをはり、軒先の下で大きな陣地を確保している。それも一人でなく数十にはいるのではないだろか?

このクソ冷たく雨と強い風を避ける場所は他にはないのだから仕方ないことだ。濡れた体ほどストレスが溜まり一刻も自分の居場所を確保して寛ぎたい。

残念ながらこの道の駅で野宿するには定員いっぱいで寝場所が確保できないようで、
不安があったがこの先にも野宿場所はあるだろうと考えて、ここをあとにした。しかし、この選択が大きな苦行と放浪を我が身に過酷までに酷使するのだ。


漆黒の国道を放浪
すでに午後6時すぎを過ぎると夕闇が迫り、寝床も確保できず
この先何があるかも知らずに夢遊病者のように歩道をふらふらと歩くと、僕の脇をかすめて往来する車のライトが自分の照らされている。

左手には傘を握り、右手にはコンビニでかった食料調達品を入れたビニール袋を下げて
ぶらぶらと闇夜の国道を歩くわけだ。
下半身は横殴りの雨でずぶ濡れで、その冷たさがなぜか体全体を襲い
弱気な自分が現れて、何度も何度も”どうするのだ??どうするのだ?”と
僕を脅し迫ってくるのです。
ライトも携帯していない今は車のライトがこれから行く先を照らしてくれる。
荒れる潮騒に樹木を擦る泣け叫ぶような悲鳴と針のように心を刺すように
ひとりの男を試しているのだ。これからの先の試練を予感する
時間が今なのかもしれない。

ホテルサンバールに野宿に最適な場所があるよ!とFBのお友達より情報をいただいた。早速そのホテルを目指したが、現地に到着して野宿場所を探した。

だが、四方を雨風から守ってくれるような空間はなかった。
こんなテントがあればと何度も思った。だが、走る遍路としては極力軽装でなければならいので最低限の物量に制限される。
ただ寝袋だけが身を守る安息のツールなのです。
空腹を満たすはずのビニール袋がやけに重たくなり、体は冷たく濡れた衣服に
風が吹き抜けていく。凍えるって一番人間を弱くする。
小高い丘を何度も越えて、車のヘッドランプが流れるラインを描くように
濡れたメガネのレンズが幻想的な油絵を描いてくれる。曇った視界からはただただ闇に浮かぶ光が恋しくてならないのだ。

身体を冷やされるとその疲労感もさらに加速されて、大きな旅の重みとなる。ただ
眠たい!早く横になりたい!
そんな言葉だけが念仏のように何度も何度も煩悶するのです。
廃屋の倉庫らしき建物が僕の視界に現れた。その建物を観察すると
周りに人家も人影もなく、邪魔されずに空間がある。
小さな軒下にボロボロになった玄関にコンクリート敷居がいい寝床になりそうだ。
僕は迷うことなく、この僅かな軒下で野宿することにした。
この先に適当な場所があるかどうか不安だからです。

硬い敷居はコンクリート。
その上に寝袋を敷くと、さっそくその中に入った!雨風を避けるために刺した傘を足元に確保する。
参照

四国霊場八十八箇所 距離





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